厚生労働省公式サイトにて、本年6月1日現在の「障害者である職員の任免の状況」に関して改めての公表がなされています。
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平成30年6月1日現在の障害者である職員の任免の状況の公表について
障害者雇用とは
念のためにおさらいです。
障がい者がごく普通に地域で暮らし、地域の一員として共に生活できる「共生社会」実現の理念の下、全ての事業主には法定雇用率以上の割合で障がい者を雇用する義務があります(障害者雇用率制度)。
この法定雇用率は事業主の区分ごとに分かれて定められていますが、本年2018年4月1日から各0.2%ずつ引き上げられて下表の数値となっています。
事業主区分 | 法定雇用率 | |
平成30年3月31日まで | 平成30年4月1日以降 | |
民間企業 | 2.0% ⇒ | 2.2% |
国、地方公共団体等 | 2.3% ⇒ | 2.5% |
都道府県等の教育委員会 | 2.2% ⇒ | 2.4% |
民間の企業だけではなく、国や地方自治体などもこの法に基づいた障害者雇用率に縛られているということです。
今回の発表内容は
公表の内容を簡単な表にまとめますと
法定障害者雇用率 | 2.5% |
実雇用率 | 2.89%(不足数0人) |
法定雇用障害者数の 算定の基礎となる職員数 |
53,015.5人 |
障害者の数 | 1,531.0人 |
ということです。
先日、民間を除く国の機関等における集計結果としてお伝えした報告書内に、省庁や機関ごとの数値も詳細に記載されていましたが、同集計のお膝元の厚生労働省として、「ウチはしっかり達成していますから!」というアピールが必要だったではないかと感じられます。
達成した国の機関、未達成だった国の機関は
行政機関・立法機関・司法機関を併せた国の機関=43機関の中で、法定障害者雇用率2.5%を実雇用率として達成したのは、わずかに
個人情報保護委員会
厚生労働省
海上保安庁
原子力規制委員会 (報道発表資料への掲載順)
の4機関だけなので、ドヤりたくなる気持ちも分からなくもありません。
※その他、内閣法制局、警察庁、衆議院法制局、参議院法制局の4機関も、実雇用率としては2.5%に満たずに達成していませんが、人数的には達成してます。
冗談はさておき、
国税庁 1,068.5人不足
国土交通省 713人不足
法務省 574人不足
防衛省 350.5人不足
の4機関をはじめとして、行政機関で3,875.0人、立法機関で51.5人、司法機関で347.0人、以上国の機関の合計で4,273.5人分の不足を今後1年以内で充足するとか、一体どうなることでしょうか。
「国の機関ですら達成していないのに
なんで民間にだけ罰則があるの? それって不公平」
となるのは自明です。
最近、障がい者雇用に関する人材紹介会社や紹介案件が以前に比べてよく見かけるようになったのは、これと無関係ではない気がしますが本当のところはどうなのでしょうか。
引き続き注目したいと思います。